
要旨:Furniture塗膜のColor Differenceは、規定した光源と測地理条件下で2枚の板の色の違いを CIE 1976 L*a*b* 空間の ΔE*ab として定量化したものです。中国では測定・計算方法が1989年シリーズを統合置換した GB/T 11186-2025 に統一されています。実務ではIndoor木工用塗料のロット間合否がΔE 1.5~2.0程度とされ、高仕様では1.0未満に狭めます。Color Differenceの要因は着色ペーストのロット、Film Thicknessと隠蔽力、光沢差、Substrateと工程のドリフト、メタメリズムの五つに集中し、標準板管理・機器測色・初品測定・保管サンプルで一貫性を固定します。
塗膜のColor Differenceとは
Color Differenceとは、規定の光源・視野・測地理条件の下で2枚の塗膜を測定した色の違いで、無次元量 ΔE で表します。中国の塗膜色測定は GB/T 11186.1/2/3—1989 を統合置換した GB/T 11186-2025 に従い、CIE 1976 L*a*b* 均等色空間で ΔE*ab とその成分 ΔL*、ΔC*ab、ΔH*ab を計算します。これは ISO 11664-4 と整合し、北米取引では ASTM D2244 がよく用いられます。
機器は試料と標準板の三刺激値をL*(明度)、a*(赤緑)、b*(黄青)に換算し、ΔE*ab = √(ΔL*² + Δa*² + Δb*²) を求めます。ΔL*が大きい場合は明度の不一致(最も多い)、Δa*/Δb*が大きい場合は色相側へのずれを示します。淡色・低彩度には知覚均一性の高い CIEDE2000(ΔE00)も普及しており、同一データでも値がやや小さめに出ます。契約書には計算式と規格を明記し、「1.2は合格か」の論争を避けてください。
主要データ
- GB/T 11186-2025 は CIE 1964 10°視野の三刺激値 X₁₀、Y₁₀、Z₁₀ を用い、CIE 1976 L*a*b* で ΔE*ab と成分 ΔL*、ΔC*ab、ΔH*ab を算出します。
- 分光測色計は波長範囲 380–780 nm 以上、波長確度 ±1 nm が要件で、三刺激値型Color Difference計は比較用に限り精密な絶対色測定には使いません。
- 規格は6種類の測地理条件(45°:0°、d:8°、8:di、8:de、di:8° など)を列挙します。平滑な塗膜は正反射の含む・含まないを選択でき、テクスチャのある塗膜は正反射を含む拡散条件(8:di または di:8°)を使います。
- 光源は D65 を優先(平均昼光)、メタメリズム評価のため光源 A を維持し、標準光源ボックスは一般に D65 / TL84 / A / CWF を切替できます。
- 業界の許容目安:Indoor木工用塗料のロット間合否は ΔE ≤ 1.5–2.0。輸出品や高級ラインでは ≤ 1.0 に狭め、3.0 超では通常の視距でも差が明瞭で、原則不合格とします。
- 内控基準は出荷判定より一般に 0.3–0.5 ΔE だけ狭く、標準板は 3~6か月ごとに更新して、標準板自体の黄変による基準ずれを防ぎます。
ΔE範囲と視覚認知・対処
| ΔE*ab 範囲 | 視覚的な認知 | 標準的な扱い |
|---|---|---|
| ≤ 1.0 | 肉眼ではほぼ判別不能 | 高仕様案件の内控目標(輸出Furniture、同一室に置くセット) |
| 1.0–2.0 | 近距離で軽微な差を認知 | Indoor木工用塗料の標準的なロット間合格帯 |
| 2.0–3.0 | 通常視距ではっきり視認 | 外観要求が緩い隠し面・裏板のみ |
| > 3.0 | 差が明白 | Surfaceは不合格。再仕上げまたは板交換 |
Color Differenceが生じる五つの要因
着色ペーストと顔料ロット
有機顔料の着色力はロットごとに変動し、b* や a* をDirect動かします。同一コードのペーストロット混用や調色機校正のドリフトは、ロット間Color Differenceの最頻出原因です。まずペーストロットを固定してから塗膜を議論してください。
Film Thicknessと隠蔽力
下塗りのFilm Thicknessが不足すると下地色が透け、淡色板では明度と b* のずれとして現れます。同一ロット内の 10–20 µm のFilm Thickness差でも、半透明色では測定可能な ΔE が生じます。
光沢差を「Color Difference」として見る
マット剤配合、硬化度、研磨程度で光沢が変わると、斜めの角度では光沢差を「別の色」と読み取ります。測色は合意した測地理で行い、目視判定は観察角度と光源を固定してください。
Substrateと工程のドリフト
素板の含水率、単板ロット、研削粒度、UV線の照射量、硬化剤配合比が、下地色・浸透・黄変を経て最終色を変えます。
メタメリズム
D65 では合致していた2枚の板が TL84 や A 光源で「色が飛ぶ」のは、着色材の分光反射率曲線が異なるためです。必要に応じて GB/T 11186-2025 に従い光源 A でメタメリズムを評価し、顧客の光源で最終判定してください。
光沢効果の落とし穴
板は常に同じ向きで突き合わせて比較してください。片方を90°回すだけで、ΔEが変わらなくても目視判定が逆転することがあります。
ロット一貫性管理の六ステップ
- 標準板の確定:契約時に同一の板を2枚封印(現場用1枚、サンプル保管用1枚)、測定条件(D65/10°、幾何条件、式)と許容差を記載します。
- 機器の統一:工場全体で同一モデルまたは同一幾何条件とし、白・黒板による定期校正を記録します。
- 初品測定:各ロットの初品で ΔE*ab を測定(必要に応じ ΔE00 と光源 A のデータも追加)、成分 ΔL*/ΔC*/ΔH* を記録して明度・彩度・色相のどこがずれたかを切り分けます。
- 工程の固定:ペーストロット、Film Thickness(同一ロットの GB/T 9286 チェッカープレートで乾燥Film Thicknessを記録)、硬化パラメータを作業標準に組み込み、変更時には必ず記録します。
- 保管サンプル:2Years or more保管。クレーム時は「標準板—保管サンプル—客先の板」を並べて測定し、責任区間を素早く特定します。
- 標準板の更新:3~6か月ごとにローテーションし、新旧標準板が ΔE ≤ 0.5 で移行するよう管理して基準ドリフトを防ぎます。
よくある質問
Furniture塗料のColor Difference許容差はどの程度が妥当ですか? ポジションにより異なります:Indoor木工用塗料のロット間は ΔE 1.5–2.0、輸出やセット品(テーブル+椅子)は ≤ 1.0–1.2、隠し面は緩和可。淡色・グレージュ系は目に敏感なため帯の下限を取り、式(ΔE*ab または ΔE00)と測定条件を明記します。
ΔE*ab と ΔE00 の違い、どちらを使う? ΔE*ab は CIE 1976 のユークリッド式Color Differenceで単純・汎用、ΔE00(CIEDE2000)は色空間の非均一性を補正し淡色・低彩度の知覚とよく一致します。両者の数値は相互変換できません。合否文書では式と規格を一つに固定してください。
ΔE は合格なのに顧客がColor Differenceを感じるのはなぜ? 多いのは3つ:目視で増幅される光沢差(色データには光沢情報がない)、メタメリズム(顧客の光源が D65 と異なる)、観察角度と背景の不統一。判定用光源と角度を統一し、必要なら A/TL84 のColor Differenceとメタメリズム指数を追加します。
Color Difference計と分光測色計の違いは? 三刺激値型Color Difference計は色度値のみを出力し、GB/T 11186-2025 は精密な絶対色測定には用いないと明記しています。分光測色計は 380–780 nm の反射スペクトルを記録し、任意の光源・視野で色度を算出できるため、調色と仲裁測定の道具になります。
セットで組み合わさる板同士のColor Differenceとロット間Color Differenceは同じ問題ですか? 違います。同ロット内の板間差は吹付均一性・Film Thickness・硬化の揺らぎ、ロット間差はペーストロットと工程ドリフトが主因です。前者は初品と工程管理で、後者はペースト固定と標準板制度で縮めます。
標準板が黄変したら基準はずれますか? ずれます。ニトロ系や通常のPU白はゆっくり黄変し、標準板も老化します。3~6か月ごとの更新、保管サンプルの遮光、新旧 ΔE ≤ 0.5 での移行により、ドリフトを無視できる水準に保ちます。
Last updated: 2026-09-21
参照:GB/T 11186-2025《塗膜の色の測定方法》(GB/T 11186.1/2/3—1989 を統合置換、国家標準全文公開システム);ISO 11664-4:2019(CIE 1976 L*a*b* 色空間);ASTM D2244;CIE 15:2018(CIEDE2000 定義)。
Kexin New Materials (Guangdong) Co., Ltd.