
脱硫煙突の耐酸内張り(ライニング)(FGD chimney acid-resistant lining)とは、湿式煙ガス脱硫装置(WFGD)を備えた煙突や煙道の鋼製・コンクリート製の内Surfaceに、洗浄後の煙ガスが壁面に作る酸性凝縮液へ抵抗してApplicationする防食システムを指す。塗料系、ビニルエステル系ガラスフレークモルタル、繊維強化プラスチック(FRP)、耐酸レンガ・発泡ガラスレンガ、Metal複合板などを含む。脱硫前の乾式High Temperature煙道(High Temperature酸化と磨耗が主体)とはもちろん、一般的な大気防食とも異なる。WFGD後の煙ガスは洗浄・加温・飽和近くまで冷却され、腐食媒体が気相から連続液相へ転じるため、侵食速度も損傷モードも根本から変わる。
TL;DR — コアは酸ロテン点以下での連続凝縮である。SO3が水和して硫酸蒸気となり、飽和湿分ガスと共に内筒壁面にpH 1-3の液膜として次々と露を結ぶ。GB/T 37187は材料を塗料系、ガラスフレークモルタル、FRP、耐酸レンガ、Metal複合板に分類し、定量の閾値(鋼下地接着 >=8 MPa、水蒸気透過係数 <=1.5x10^-5 g/(m.s.Pa) など)を示す。工事は下地処理 - シーラー - ライニング成形 - スパーク(ホール)試験によるリーク検出 - 非定常運転サイクル試験の順で構成する。壁温、凝縮液pH、運転の起停変動が、塗料、ガラスフレーク、FRP、チタン鋼複合板のいずれを選ぶかを決める。
主要データと限度アンカー
- 使用環境の範囲:GB/T 37187は脱硫煙突防食の適用環境を、煙ガスTemperature50-80 C、凝縮液pH 1-3の強腐食環境と定める。WFGD輸出は飽和湿分ガスで、内筒壁温が酸ロテン点を下回る箇所では凝縮液膜が間欠ではなく連続して流れる。同一煙突でHigh Temperature部は無傷、低温凝縮部だけ広範に錆びる対比のDirect原因である。
- 塗料系の閾値:鋼下地への付着強度 >=8 MPa、20% H2SO4に14日浸漬して膨れ・剥がれなし。GB/T 37187-2018はGB/T 37187-2026に置き換えられており、選定と検収は現行版に拠る。
- ビニルエステル系ガラスフレークモルタル:水蒸気透過係数 <=1.5x10^-5 g/(m.s.Pa)、摩耗量 <=50 mg (500 g/1000回転)。下地に平行配向した鱗片状フィラーが媒体の拡散経路を曲げ伸ばしにするのが、Weight防食ライニング遮へいのコアである。
- 構造系ライニング:FRP吊り下げ式内筒の周方向引張強度 >=280 MPa。チタン鋼複合板はせん断強度 >=140 MPa、チタン層厚さ >=1.2 mm、平たん度偏差 =1.0 MPa。耐酸キャスト耐火物の自然乾燥収縮率 <=2.0%。ニッケル基合金板はYB/T 5353に準拠。
- 非定常運転の評価:『20%硫酸1時間浸漬 -> 150 Cで2時間乾燥 -> 1時間冷却』を30サイクル繰返し、膨れとひび割れを評価する。運転の起動・停止、GGH(気-気ヒーター)漏れやバイパスなど、Temperatureと凝縮負荷が急変する状況を模擬する。
- Applicationウィンドウ(エンジニアリング通例値):ビニルエステル系ガラスフレークモルタルは、全乾燥塗Film Thicknessさ1.5-2.5 mmを通常2-3回のコテ塗りで作り、前層が指触乾燥のうちに次層を塗る。DLZ 1262-2013が下地等級、環境温Humidity、硬化後の直流スパーク試験による全面リーク検出を規定し、試験電圧はFilm Thicknessに応じ設定する - 現場経験値はおよそ5 V/umのオーダー。これらはエンジニアリング通例の範囲で、設計図書と現行規格が優先する。
腐食機構:脱硫後に煙突がより過酷になる理由
酸ロテン点以下での連続凝縮
燃料中の硫黄はSO2として燃焼し、その約0.5-5%がさらに酸化してSO3になる。SO3は煙ガス中の水蒸気と結合して硫酸蒸気を形成し、酸ロテン点を水の露点よりはるかに高い位置へ引き上げる。脱硫前の乾式煙道では壁温が通常酸ロテン点より上にあり、硫酸は露として結ばず、High Temperature酸化が主体の侵食である。ところがWFGDはガスを洗浄し50-60 Cの飽和状態まで冷やすため、内筒壁面全体が酸ロテン点以下に落ち、凝縮水が壁面を伝って連続的に流れる。この水に残存SO2/SO3と洗浄液から同伴する塩素・フッ素が合わさり、pH 1-3の希硫酸系が構成され、炭素鋼を活性溶出で侵す - 速度は乾式条件より一桁大きくなり得る。
Metalとコンクリート、二つの侵食経路
鋼製内筒は低pH凝縮液中で水素脱分極腐食を受け、溶接部、アンカー周辺、開端口など形状不連続部に液が溜まり、まず穴があく。管理可能な大気錆の上にそのまま塗装する一般環境とは比較にならない。コンクリート内筒は硫酸に侵されて石膏とエトリンガイトが生成し、母材が軟化・粉化する。湿乾の繰返しや微生物由来の酸(下水管コンクリートの生化学的硫酸腐食と同シリーズ)も重なるため、コンクリート下地は十分養生し、シーラーを施し、本物の耐酸ライニングを載せる必要がある。素打ちコンクリートに塗料を塗るだけでは成り立たない。脱硫媒体が樹脂に課す耐薬品要求は、過酷な液体貨物の吸収-脱着ロジックと同根であり、樹脂グレード選定の経験は互いに参照できる。
ガラスフレークの遮へいと損傷判定
ビニルエステル樹脂は汎用エポキシよりもともと耐酸・耐熱に優れる。そこに質量比10-40%(エンジニアリング経験範囲)のガラスフレークを下地平行に配向させると、拡散する媒体分子は鱗片の縁を回るほかなくなり、経路が伸びて水蒸気透過係数は <=1.5x10^-5 g/(m.s.Pa) クラスまで抑制される。損傷は樹脂そのものが溶け抜ける例は少なく、界面から始まる。下地処理不足、層間汚染、アンカーや隅部のFilm Thickness不足、熱サイクルでの鋼とライニングの線膨張差による micro crack。貫通気孔が一度できると隙間内で凝縮液が加熱・濃縮され、局所腐食が急加速する。規格が付着・浸漬・30サイクル運転試験を課す理由である。
ライニング系とリーク検出
下地処理:成否を決める第一段
鋼材はブラストでSa2 1/2等級まで錆・スケールを落とし、アンカープロファイルを工事通例のRz 40-70 um範囲に保ち、油分・水溶性塩を除く。コンクリートは十分に養生(>=28日)し含水率を管理、セメントスキンを除きアルカリ部を中和したうえで、シーラーで細管水とアルカリ移動を断つ。下地に再錆、塩分蓄積、含水超過が起きると、後続のライニング指標は実運用で悉く崩れる - ISO 12944のSurface等級が示す前処理優先の通則と同じ理屈である。
ガラスフレーク成形とスパーク試験
シーラーが完全乾燥した上でガラスフレークモルタルを2-3回コテで設計全乾燥Film Thickness(通例1.5-2.5 mm)まで成形し、層ごとに面を均し、指触乾燥のうちにローラー押さえで気泡を抜きフレークを再び平行配向に戻す。完全硬化後、直流スパーク試験器で全面を走査しピンホールを洗い出す。電圧はFilm Thickness基準で設定 - 現場経験値はおよそ5 V/umのオーダー。打点位置を標識して補修し、リークが消えるまで再走査する。低温・多湿時は硬化ウィンドウを延長すべきで、Surfaceだけ乾いた状態での検査・投入は起動直後の膨れを集中発生させる。
選定:Temperature・pH・変動に系を合わせる
壁温が安定し、凝縮液pHが2以上を保ち、起停が管理できるなら、耐酸塗料か薄層ガラスフレークで足りる。長期に飽和近い凝縮が続き強度も兼ねるなら、ビニルエステル系ガラスフレークかFRPを優先する。起停が頻繁、GGH故障で一瞬のHigh Temperatureが出得る、または磨耗が激しいなら、チタン鋼・ニッケル基複合板、あるいは耐酸レンガ+樹脂モルタルを案に入れ、初期投資と点検周期延長を交換する。下表が条件対照である。
使用条件/ライニング/検査 対照表
| 腐食条件 | 推奨ライニング系 | 主要定量閾値 | 検収/検査 | 主要リスク点 |
|---|---|---|---|---|
| 飽和湿分ガス、pH 1-3、Temperature変動小 | ビニルエステル系ガラスフレークモルタル1.5-2.5 mm | 透過係数 =8 MPa | 全面スパーク試験、バーコールHardness、付着抜き取り検査 | 層間汚染、隅部のFilm Thickness不足 |
| 構造耐力も兼る内筒 | FRP一体式/吊り下げ内筒 | 周方向引張強度 >=280 MPa | 積層硬化度、漏れ試験 | 樹脂偏在・繊維ブリッジ、継手からの漏れ |
| 強酸+強磨耗 | 耐酸レンガ/鋳石板+樹脂モルタル | レンガ-モルタル接着の稠密さ、目地の連続性 | タタキ検査(浮き)、目地の完全性 | 目地ひびが連通した漏出経路 |
| 頻繁な起停/GGH故障時の瞬間High Temperature | チタン鋼複合板/ニッケル基合金板 | せん断 >=140 MPa、チタン層 >=1.2 mm、平たん度 <=15 mm/m | 溶接部の耐食、界面せん断 | 感作溶接部の孔食、複合界面の剥離 |
| 運転変動の耐久性再確認 | いずれの系(設計資格検証段階) | 20% H2SO4 1時間浸漬 -> 150 C 2時間乾燥 -> 1時間冷却 × 30サイクル | 膨れ・ひび・付着劣化の等級評価 | 線膨張不一致による micro crack進展 |
よくある質問
脱硫を取り付けたら、既存の煙突塗膜はなぜ早く失効するのか?
腐食系そのものが変わったから。脱硫前は乾式High Temperatureガスで酸化主体、露は偶発的だった。脱硫後はガスが冷却・加温されて飽和し、壁面は常に酸ロテン点以下に留まり、pH 1-3の連続酸性凝縮液が流れる。乾式条件用に作った汎用エポキシや防錆塗料は、耐酸性も緻Densityも連続液相侵食に耐えないため、GB/T 37187が定める耐酸ライニング系へ切り替える必要がある。
ガラスフレークモルタルは通常のエポシに何が良いのか。薄く一塗りでは駄目か?
樹脂マトリクスと遮へいの二段効果が重ね合わさる。ビニルエステル樹脂自体が耐酸・耐熱で優れ、平行配向したガラスフレークが拡散経路を曲げて透過係数を <=1.5x10^-5 g/(m.s.Pa) クラスまで抑える。薄塗りはこの『回り道』の価値を捨てることになる - フレーク遮へいは十分な厚さの中で連続平行層を保って初めて成立するため、一塗り薄付きではなく1.5-2.5 mmを2-3回で成形するのが実務である。
規格はなぜ静止浸漬だけでなく、酸浸漬-乾燥-冷却を30回繰返すのか?
実際の損傷は定常状態ではなく変動で触発されるから。運転の起動停止、GGH漏れやバイパスはライニングを『湿って冷たい - 乾いて熱い』の往復に通し、鋼と樹脂では線膨張が異なるため、周期せん断応力は静止浸漬より速く micro crackと界面劣化を育てる。30サイクルは非定常運転耐久性の加速再確認であり、20% H2SO4の静止14日浸漬は材料の媒体耐性だけを証明する。
Application後、見逃した漏れがないことをどう確認するか?
中核は完全硬化後の直流スパークによる全面試験である。電圧はFilm Thicknessで設定し、放電打点がピンホールの位置、補修後に再走査してリーク消えを確認する。補助として付着、バーコールHardness、重点部位(アンカー、開口、隅部、溶接部)のFilm Thickness抜き取り検査を行う。試験は必ず完全硬化・乾燥下地で実施せねば、『偽りの合格』か実欠陥の見逃しになる。
コンクリート煙突と鋼製煙突で選定の考え方は違うか?
鋼製内筒の最優先は酸性凝縮液中のMetal活性溶出を止めることで、界面付着と全体の緻密さが設計を支える。ガラスフレーク、FRP、Metal複合板のいずれも適任だ。コンクリート内筒は『母材が硫酸で粉化する』と『細管水分がライニングを膨れさせる』の二つを同時に処理する必要があり、十分養生、含水管理、シーラーの後に耐酸ライニングを載せ、必要なら耐酸レンガを使う。両系の共通のレッドラインは下地処理であり、上の対照表を参照されたい。
Last updated: 2026年10月5日 | 出典:GB/T 37187-2018 脱硫煙突用防食材料の技術要求(現行代替はGB/T 37187-2026)、DLZ 1262-2013 発電所稼働中湿式煙突の防食技術指針、YB/T 5353(ニッケル基合金板)、ISO 12944Surface等級の一般事項。文中の定量閾値は上記規格の材料別・公表技術要求を引用したものであり、ApplicationFilm Thicknessとスパーク試験電圧はエンジニアリング通例の範囲として設計図書と現行規格が優先する。著者:Kexin New Materials (Guangdong) Co., Ltd. 技術チーム。取引条件はEXW/FOBのみ。