
自動車ボディ(BIW)の溶接部シールとヘミング接着とは、組立と塗装の合間に、PVC プラストソル系のシームシーラー・フェイイングシーラント・エポキシ系ヘミング接着剤を溶接目や重なり、ヘム腔へ適用し、電解液の滞留を断ち、電着の被覆の死角を補い、既存の焼付窓で共硬化させる工事Systemである。
TL;DR — 工事位置で4系統:溶接前のフェイイングシーラント(リン酸塩化槽40℃/4 h 耐久)、電着後のPVCシームシーラー(板金≥140℃×30分または160℃×25分、サーフェイサー炉約170℃で共硬化)、車底飛石コート、エポキシ系ヘミング接着剤。プラストソルは不揮発≥96%、タレないビード2〜3mm。ヘム部の品質目標は「100%連続充填」— 空隙や気道は電着の滲み出しや縁部腐食になる。
主要パラメータ
- 固形分とDensity:PVCプラストソル系は不揮発分≥96%(一部≥98%)、Density1.2〜1.5 g/cm³ — 塗装工事での溶剤放出はほぼゼロ。
- 硬化窓:有効板金加熱≥140℃×30分または160℃×25分でゲル化・焼結;サーフェイサー炉(約170℃)で共硬化;180℃×40分の焼き過ぎでも割れ・ブツなし(供給元TDS)。
- ビード形状:溶接カバー厚2〜3mm推奨;約10⁵ mPa·sのチクソ性配合はぬれ厚3mmでも垂れない(流動≤3mm)。
- 硬化後の特性:ショアA 20〜50、重なりせん断≥1.0 MPa、膨潤0〜10% — 熱サイクルに追従して剥がれない柔軟性。
- タクト:スワール塗布はパス間隔を最大50mmまで広げつつ同一塗量を広い面へ分配;インライン画像で幅・連続性・位置を検査、タクト増なし。
- 工事適合:溶接前系はリン酸塩化液に耐性(40℃×4h 流落なし);電着後系PVCはASTM B117(35℃・5% NaCl・240h)で付着低下なし。
なぜ溶接部とヘムが腐食時計を回すのか
隙間が電解液を滞留させる
溶接ルート間・スポット重なり・ヘム腔は典型的なクレビス形状。洗浄液や融氷塩が入っても排出・乾燥できず、酸素濃淡電池が隙間内の鋼を活性に保つ。シールは「開いた隙間」を「閉じた界面」に変え、ポケット自体を消す。
電着の奥付きには限界がある
カソード電着の内部被覆は浸透力(スローパワー)に上限があり、狭い溶接隙間には液が入りにくく皮膜も薄くなる(詳説は電着下塗りと浸透力)。ヘム腔の気道は加熱中に閉じ込めた液を押し出し、上塗りを汚す — 組立工事の不良が塗装で露見する。
ヘム縁から這う腐食
フード・ドア・テールゲートは折り返し(ヘミング)接合で、ヘム線はクリア層の及ばない縁。接着剤がなければ電解液は界面を伝って隙間を開かせる。エポキシ系ヘミング接着剤は強度とシールを兼務し、リン酸塩化・ジルコニウム転化皮膜と組んで縁部の腐食速度を面レベルへ戻す。
4系統の車体シーリング
溶接前フェイイングシーラント
スポット前に重なり面へスクリーンまたはベラ;ウェットオンウェット型は前処理–電着–乾燥を丸ごと同行、フィルム型は張り合わせ。役割は隙間腐食の遮断で、構造力は持たない。
電着後PVCシームシーラー
電着乾燥後の溶接ラインをロボットまたは手作業でビード、サーフェイサー炉で焼結。要求は電着皮膜への付着、点断のない連続性、NVH減衰への貢献。
車底飛石コート
同じプラストソル化学を床面・ホイールアーチへスプレー;弾性化後に砂利衝撃を吸収し、下地皮膜の破孔を防ぐ車底の第二の関門。
ヘミング接着剤
折り返し前に外板フランジ内側へビード;1Kエポキシは塗装炉熱で活性化。品質目標は内外板100%接着、ヘム腔の完全充填、はみ出し制御(従来ビード対スワール)。
塗布・共硬化・検査
ビード形状と軌跡
ビードは溶接目へ押し込む「足跡断面」;適用角度は通例45〜75°、曲がりや継ぎ目は増量。スワールは溶接位置ばらつきの大きい部品(ドア・ゲート)に向き、間隔50mmでも分布形状は変わらない。
共硬化窓と上塗り
電着面上のシーラーはサーフェイサー炉(約170℃)で焼結。低温コンパクト工事(補修炉140℃×30分等)へ切替時は、切替前にTDSの板金加熱・時間等価カーブで検証する。
インライン検査と手当て
組立と塗装の合間の画像検査でビード幅・連続性・位置を判定;点断は自動補修またはマーキング後に乾燥前処理。ヘム充填率はカット解体監査で確認。流出後の防備は内腔用ワックス頼みとなり、工場内シールより遙かに高くつく。
4系統の対照
| 系統 | 化学 | 適用工事 | 硬化 | 主機能 | 検査点 |
|---|---|---|---|---|---|
| フェイイング | PVCプラストソル/乾膜 | スポット前 | 前処理〜電着と同行 | 隙間腐食遮断 | 位置;耐槽性40℃/4h |
| シームシーラー | PVC 不揮発≥96% | 電着乾燥後 | ≥140℃/30分・160℃/25分 | シール+NVH | 2〜3mm連続・100%充填 |
| 車底コート | スプレーPVC | 電着後・中塗りと | 塗料系と共焼付 | 飛石+バリア | 厚み・アーチ被覆 |
| ヘミング接着 | 1K/2Kエポキシ | 折り返し前のフランジ | 塗装炉で活性 | 構造+界面 | 充填率・はみ出し・気道 |
よくある質問
ヘミング接着剤でシームシーラーは代替できるか?
不可。守る形状が違う。接着剤は折り返し腔の充填と荷重伝達、シーラーは開いた溶接目のカバー。大半のBIWはフェイイング+シーム+ヘミングの三重防御。
なぜ2〜3mmか?
溶接面はスパッタ・バリ・すきまばらつきがあり、薄膜は架橋して空隙を残す。2〜3mmは目地へ流れ込み、焼縮み後も接触を保ち、減衰も稼ぐ。
低温コンパクト工事で変わることは?
未焼結ビードは脆く付着不足でNVHも無効。TDSの板金加熱・時間等価で再検証し、必要なら低温向けグレードへ付着・焼き過ぎ試験後に切替える。
焼き付け後の手当ては?
ゲル化前は拭き取り再適用可;焼結後は電着を傷めぬよう機械除去→界面処理→再ビード。手当てはVIN品質歴へ記録する。
効果の定量化は?
SAE J2334系の循環腐食でシール/未シール試験片の縁部アンダーカット幅を比較、モデル別クレーム腔体腐食率を追跡。工場内指標はビード連続合格率。
最終更新: 2026-09-30 | 出典: Henkel TEROSON PV 8532 およびTB991公開技術資料、Atlas Copco ヘムフランジ接合文献、SAE J2334・ASTM B117。著: Kexin New Materials (Guangdong) Co., Ltd. 取引条件はEXW/FOBのみ。